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育成地で守る水稲「かぐや姫」 冷害・震災を越えて ―― 宮城県東松島市・木村正明さん(1面)【2016年11月2週号】

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 平成5(1993)年の大冷害をきっかけに地元農家が育成した水稲品種「かぐや姫」を栽培し続けているのは、宮城県東松島市大塩の水稲農家、木村正明さん(40)だ。現在、県内ただ一人の生産者として3.5ヘクタールを作付ける。東日本大震災の津波により、作付面積の多くが被災。営農を続けるかどうかの判断が迫られる状況の中で、直接販売にかじを切り、同市(旧矢本町)発祥のかぐや姫を地域を代表するブランド米にしようと奮闘している。11月初旬に収穫時期を迎える極晩生の特徴を生かして「日本で最後に収穫する新米」をアピール。商談会などに参加し、販路拡大を目指す。大冷害と大震災という二つの天災を乗り越えて、品種が持つ可能性を信じながら営農に取り組んでいる。

(1面)

〈写真:「震災で職をなくした人は数えきれないほどいる。農業が続けられるだけでも幸せ者」と話す木村さん〉