「来年以降、牧草の確保が不安だ。いったん頭数を減らせば、元に戻すには時間がかかる。購入してでも頭数は維持したい」と、岩手県岩泉町安家〈あっか〉の和牛繁殖農家・合砂(あいしゃ)哲士さん(29)は話す。短角牛の生産や酪農が盛んな岩泉町を8月、台風10号に伴う豪雨が襲った。河川の氾濫による被害で、今も復旧作業が続く。牛舎や農地、農機に被害を受けた畜産農家も多く、来年以降の営農継続に不安が残る。基幹産業である畜産の再興には、継続的な支援が欠かせない。
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〈写真:土砂が流入した採草地で哲士さん。復旧のめどは立たない〉