トランプ米政権が温室効果ガス排出規制の緩和など地球温暖化対策に消極的な姿勢を鮮明にする中、昨年11月に発効した温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」の実効性が危ぶまれている。パリ協定は、世界の気温上昇を産業革命前に比べ平均で2度未満に抑える目標を掲げている。ただ、二酸化炭素(CO2)排出量が世界第2位の米国の対策後退は、目標達成はもとより、各国の対応にも悪影響を及ぼしかねない。海面上昇や自然災害の頻発、農業・生態系への打撃、熱中症の増加、感染症の拡大など、温暖化の影響は国境を超えて顕在化しつつある。次世代を担う子どもたちが安心して暮らせる地球環境を守るためにも、国際社会の連携強化が求められている。
(2面・総合)