森林地帯が9割を占める岐阜県郡上市では、集落ぐるみの獣害対策に若手猟師たちが一役買っている。16人で組織する里山保全組織・猪鹿庁は、「守り、捕獲できる集落倍増」を目標に掲げ、イノシシやシカなどから農作物被害を防ぐ侵入防止柵の設置方法や捕獲方法を10集落でアドバイスしている。住民の狩猟免許取得を支援し、わなを管理してもらい、危険が伴う止め刺しは猪鹿庁が実施。捕獲奨励金は集落に、捕獲した獣は猪鹿庁が引き取り、適切に食肉処理したジビエ(野生鳥獣肉)を販売する。里山の生態系保全に努めながら、安心して暮らせる地域づくりを支援している。
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〈写真:箱わなの近くでシカの足跡を確認し、方針を確認する興膳さん(左)と笹原さん〉