施設ピーマン70アールを栽培する愛知県稲沢市祖父江町の近藤園芸株式会社は、時期ごとの害虫の発生状況に応じて市販の天敵資材(生物農薬)を5種類以上組み合わせて導入。化学合成農薬の散布を1圃場当たり年間5、6回程度まで抑え、労力軽減や害虫の薬剤抵抗性の回避につなげている。事前に薬剤でできる限り害虫密度を減らす「ゼロ放飼」を基本に、天敵を定着させ微小害虫を抑える。急激に増えるアブラムシ類には、ハウス全体を飛び回る寄生蜂を持続的に追加して予防しつつ、発生時期はテントウムシによる捕食で補う。温度管理や性フェロモン剤なども組み合わせた防除体系を構築し、大規模ながら労力負担が少ない経営を実践している。
(9面・営農技術)
〈写真:「天敵の導入前に害虫が抑えられているのか確認する」と近藤さん〉