「山口県で牛飼いをしているからこそ、この地域にしかない貴重な無角和種を守りたい」と、山口県美祢市美東町の有限会社秋吉台肉牛ファームで繁殖・肥育を担当する松林健太場長(34)は話す。肉用牛の繁殖・肥育一貫経営に取り組む中で、繁殖牛24頭、育成・肥育牛13頭の無角和種を飼養する。周年放牧やエコフィードなどによる生産コスト低減を図り、全頭の肉を関連会社の直営店で販売している。かつて県独自の銘柄として高い評価を受けていた無角和種も、霜降りを重視する需要の変化から、飼育頭数は約250頭まで減少。しかし近年の健康志向の高まりを受けて、サシが少ないヘルシーな肉質が注目されている。牛飼いの誇りを胸に、日本固有の肉専用種である無角和種の再興を目指す取り組みを紹介する。
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〈写真:無角和種と黒毛和種を交配した和牛間交雑種に給餌する健太場長〉