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防風林「飲んで貢献 米の需給と水田活用【2019年6月1週号】」

 ▼先ごろ開かれ た全国新酒鑑評会で、福島県の 銘柄22点が金賞に選ばれ、都道府県別で7年連続の日本一となった。鑑評会は、2018年9月~19年6月に製造される日本酒の品質や製造技術を審査する。今回は、全国から857点が出品され、237点が金賞に選ばれた。
 ▼福島県は、金賞数ゼロの年もあったそうで、酒造関係者が結束して品質向上に取り組んできた。県酒造組合は、若手の技術向上を目的に清酒アカデミー職業能力開発校を運営する。蔵元が集まる高品質清酒研究会では、各蔵元の秘蔵技術を公開する技術交流に努めてきた。県も酒造好適米や酵母の開発など後押ししている。
 ▼日本酒の国内出荷量は、近年は年間50万キロリットル台前半で推移する。1973年のピーク時に比べ、3分の1の水準だ。しかし、最近は吟醸酒や純米酒などの評価が高まり、これら特定名称酒の出荷量は増加に転じている。
 ▼海外の日本食ブームを背景に、日本酒の輸出も好調だ。この10年間で輸出量は倍増し、輸出金額は約3倍になった。日本酒原料用米の使用量は、16年産で約24万トンだが、輸出を視野に入れると伸ばす余地は十分にある。
 ▼人口減少などから、主食用米の消費は年々減少し、需給均衡は大きな課題となっている。内外の日本酒需要が増えれば、原料用米の作付け拡大につながり、主食用米の需給均衡にも貢献できるだろう。ご飯は好きだが、年齢を重ねると2杯も3杯も食べられない。幸い、夜は"左利き"になる身だ。そちらで消費拡大に励もうか。