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防風林「交通事故を防ぐ技術の普及を【2019年6月2週号】」

 ▼高齢運転手の車が暴走し、歩行者を巻き込む事故が続いている。犠牲者を出さないよう、原因究明と対応策の構築が喫緊の課題だ。交通事故の死者数が減少傾向にある中、75歳以上の死亡事故は近年450件前後で推移し、65歳以上の死亡事故の割合は他の年齢層の約2倍だという。
 ▼報道では、「アクセルとブレーキの踏み間違い」に起因する事故が多いようだ。ただ、免許証の更新時に、75歳以上に義務づけられた認知機能検査では異常がなかったとの記述も目にする。認知機能が衰えるからと決めつけて、一律に自主返納を促すわけにはいかない。特に地方では、車の運転ができなければ買い物などの日常生活に支障を来す。
 ▼事故防止では、自動運転など技術開発に期待がかかる。自動運転は、5、6年後の実用化を目指した実証試験も行われている。ペダル踏み間違い時の加速抑制や自動ブレーキなどの安全技術は、すでに市販車への導入が進む。安全運転サポート車(愛称「サポカー」)として、官民連携による普及活動も展開されている。
 ▼運転免許取得から40年近いが、ヒヤリとした経験は一度や二度ではない。年齢とは関係なく、運転中に疲れなどから注意力が散漫になるときがある。車の購入では、安全技術の有無も判断基準としたい。
 ▼安全運転を支援する技術開発は、若年層の安全運転支援にも役立つだろう。オプションとして、迷惑行為の「あおり運転」を防止する技術を加えてもらいたい。