ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「相次ぐ気象災害 悪徳商法による被害も防ごう【2019年10月3週号】」

 ▼前線に伴う集中豪雨のほか、台風の接近・上陸が相次ぐなど今年も気象災害が頻発している。加えて大型で非常に強い台風19号が、関東地方を中心に大きな被害をもたらした15号と似た進路をたどる。
 ▼この原稿の執筆時点で被害の状況は分からないが、災害に巻き込まれそうなときは命を守る行動を最優先にしてほしい。仮に被災した場合でも、体が無事であれば生活の再建や営農再開に動き出すことができる。
 ▼台風15号では、電気や水道などのライフラインが寸断され、被害が拡大した。送電網の復旧も大幅に遅れ、農業関連では酪農や園芸施設への影響が深刻化した。関係の事業者には、再び同様な事態を招かないよう万全の対応を求めたい。
 ▼最近の被災地域では、悪徳商法などの横行が問題になっている。住居の修理などを急ぎたい被災者の気持ちにつけ入り、自治体の職員やボランティアを名乗って近づき、ずさんな工事で法外な請求をしたり、保険請求を代行すると持ちかけ、手数料を払わせる詐欺行為も報告されているという。
 ▼集落の人口が多く、共同活動が盛んな時代なら、災害時の安否確認や住宅の修理、がれきの片付けなども地域で取り組めただろう。昨今は過疎化で高齢の独居世帯も増えており、近隣の被災まで手を回す余裕がなくなっている。だが、被災者をむち打つような行為は許されない。車での見回りを、できればドライブレコーダー付きで実行できないか。関係機関も含め、協力体制を組めば、抑止効果が期待できる。