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防風林「オリ・パラ開催に重要な農業・農村の貢献【2020年1月1週号】」

 ▼今年は十二支が一巡して始めに戻る子(ね)年で、物事の始まりや新たな命の兆し、繁栄などの意味があるという。近年は大きな災害が続いたため、平穏に過ごせる年であることも期待したい。
 ▼この夏は、オリンピック・パラリンピック東京大会が開催される。各競技の代表選考も着々と進んでおり、代表選手には、一番の高みを目指して全力を尽くしてほしい。猛暑も予想される中で、選手たちが実力を発揮できるよう、関係者には競技に集中できる環境対策に最大限の対応をお願いし、その活躍を応援したい。
 ▼政府は、オリンピック・パラリンピックを和食や和の文化を発信する機会と位置付けている。訪日外国人の受け入れや選手村への食材提供などで農業・農村分野の貢献が期待されている。特に選手村で使用される食材は、食品安全や環境、労働安全に配慮したGAP(農業生産工程管理)の認証取得が義務付けられている。
 ▼各国の代表選手には、おいしい国産食材を十分に味わってもらいたい。だが、手続きの煩雑さや経費負担が課題とされ、認証が増えていないとの報道もある。農林水産省は、GAPの取り組みが生産管理と効率性、農業者や従業員の経営意識などの向上につながるとメリットを強調する。
 ▼GAPの基本は、農場内を点検し、課題や問題点を見つけて改善するもので、認証を取得しなくても取り組む意義は大きい。ただ、各国代表選手への食材提供は、取得を促す良い機会になる。支援策の内容次第で認証数も増やせるだろう。