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農の未来図 みんなの手で ―― 地域の農業継続と集落活動の維持につなげる各地の工夫(1~5面)【2020年1月1週号】

 都市部の若者が農業や農村での生活を志向する「田園回帰」や、定年退職を契機とした農村部への定住志向の高まりは、農山村が高齢化や過疎化の問題に直面する中で、新たな潮流と期待されている。その一方、就農から数年で離農する人も多く、定着方策が課題となっている。就農者の早期の経営安定を図る支援だけではなく、ともに地域の未来を支える集落の一員として迎え入れる環境整備も重要だ。新年号では、「農の未来図 みんなの手で」をテーマに掲げ、地域の農家や関係する組織が連携して後継者の確保・育成に取り組む実践事例を特集する。田園回帰など農業・農村に向かう流れをつかみ、地域の農業継続と集落活動の維持につなげる各地の工夫については、今後も継続的に紹介していく。

(1~5面)

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農地と技つなぐ 新たな仲間 守り育てる

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 農作業受託による地域の営農支援に取り組む、長野県の「信州うえだファーム」は、新規就農者の育成にも力を入れている。独立時に研修で慣れた圃場をのれん分けするほか、研修期間中は正社員として雇用するなど、研修生の不安を取り除く仕組みが充実している。


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思い一つに 田んぼ守り "絆"広げる

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 福井県若狭町では「かみなか農楽舎」を核にして、県外から営農意欲のある若者を研修生として招き育成している。過去18年で46人が卒業し、うち24人が同町内で就農。認定農業者らから事業継承を受け経営者となった卒業生が、後輩を雇用する事例も生まれている。


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農家への道 ともに描き 支え続ける

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 岩手県の一関地方農林業振興協議会では「新規就農トータルサポートシステム」を構築し、行政や農業関係機関・団体が一体となった新規就農者の確保・育成を図っている。野菜や果樹、畜産など幅広い要望に応えながら最適な就農形態を検討し、就農に向けた道筋を立てていく。