和牛遺伝資源の不正な海外流出などを防ぐため、農林水産省は今通常国会に新法案を提出する。一昨年発覚した中国への和牛の受精卵流出未遂事件を踏まえた対応で、和牛遺伝資源を「知的財産」と位置付けるとともに、不正な取得・利用に対して生産・取引の差し止め請求や損害賠償請求を可能にし、詐欺など悪質な取引は刑事罰の対象とする方針だ。和牛遺伝資源は、国内畜産振興の"要"であり、和牛の輸出拡大を図っていく上でも流出防止は欠かせない。同省は今後、法案策定作業を加速させる。生産現場の実情を踏まえた実効性ある仕組みの整備・構築が求められる。
(2面・総合)