▼気象庁は、九州や中部地方など広域に被害をもたらしている3日以降の豪雨を「令和2年7月豪雨」と名付けた。顕著な被害となった自然災害に経験や教訓を伝承する目的で名称を定めている。2011年以降の10年間で名称のある気象現象は九つ目となり、7~8月の豪雨災害は六つになった。
▼実家の周辺地域も45年ほど前に豪雨災害に遭った。自宅前の一段低い土地の水田が泥水の激流となり、家屋や人、家畜などが流された。流れる水の勢いに足がすくんだ記憶がある。今回も住宅が流され、泥水をかぶるなどの被害が目立つ。どれほど怖かったことだろう。
▼被災された方には、早期の生活再建が必要となる。しかし、何から始めるか考える気力も出ないのではないか。熊本県弁護士会では、「くま弁ニュース」を作成し、無料相談の案内をはじめ、被災時の対応について情報を発信している。
▼り災証明書の申請や保険金の請求などの手続きは、片付け前に撮影した写真があるとよいなど助言を掲載。自力での土砂撤去などは無理をせず健康に留意するよう呼びかけ、締めくくりに"必ず生活再建はできる"との励ましを添える。頼りにできる専門家の存在は心強い。