ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「コロナ禍と向き合う日常で【2020年12月1週号】」

 ▼第3波とみられる新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は「Go To トラベル」のうち札幌市と大阪市を目的地とする旅行予約を一時停止し、既存の予約も支援対象から外した。経済停滞の長期化は自殺の増加を招くとの指摘もあり、感染抑制と経済対策のバランスをとるかじ取りは難しい。
 ▼感染が拡大する地域での発着を伴う旅行は、確かに感染のリスクが大きいだろう。こうした中で近場のホテルやレストランで宿泊や食事を楽しむ人が増えているという。巣ごもりの長期化でたまったストレスの発散ができ、「Go To」事業や自治体の支援策を利用すれば出費も抑えられるためだ。
 ▼つい1年前までは、息苦しく、眼鏡が曇るマスクの着用は、風邪を引いても避けていた。着け慣れるまでひもによる耳の痛みにも悩まされたが、今ではマスクを着けて一日の大半を過ごしている。コロナ感染症と向き合う「新しい生活様式」などに慣れたくはないけれど、いやも応もない日常が続く。
 ▼過日、誘われて都内のホテルで食事をする機会があった。入館はホテル内の施設利用者に限定され、入場時の検温など対策を講じている。意外と多くの人でにぎわっていたものの、非日常的な時間と空間を楽しめた。注意を怠る訳にはいかないが、息苦しさが和らぐ良い体験だった。