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防風林「命に関わる情報には敏感に【2021年1月4週号】」

 ▼「慣れる」とは、こういうことかと日々のニュースを見て考えている。新型コロナウイルスの感染者数が「過去最大」「曜日では最大」など報道が続き、1日数千人では驚かなくなった。11都府県に緊急事態宣言が再発令されても、昨年の緊急事態宣言の期間ほど繁華街への人出は減っていないという。
 ▼自粛疲れもあるだろう。しかし、感染を抑える最善策は人との接触を断つことと理解しながら、外出する人が増えているよう。今まで感染しなかったから大丈夫と危機感が薄れているのかもしれない。
 ▼思い返せば、東日本大震災でも同じような経験をした。津波の経験を踏まえ、地震の都度、報道は津波への注意を呼びかける。だが、過去に津波に襲われた地域でも災害の記憶は薄れていく。すぐ避難しない人も多く、被害を広げた。
 ▼国土交通省は、水害・土砂災害に関する防災用語の改善を検討中だ。簡潔で分かりやすい言葉と情報伝達方法で、災害時の警戒レベルに合わせ、住民の緊急的な行動を促すのが狙いだ。「命を守る」ため、こうした情報には敏感でいたい。