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防風林「増加した読書時間【2021年3月3週号】」

 ▼全国農村読書調査(家の光協会)で、総合読書率(週刊、月刊の雑誌や書籍のいずれかを読んでいる割合)や雑誌読書率、書籍読書率がいずれも前年比増となった。総合読書率は前年比8ポイント増の63%で、4年ぶりに60%を上回ったという。活字離れと言われて久しい中、印刷に関わる仕事をする者としてわずかな増加でもうれしい。
 ▼同調査は、終戦翌年の1946年に始まり、昨年の9月下旬~10月下旬に調査した今回で75回目だ。過去にさかのぼれば、80年代、90年代の総合読書率は70~80%台で推移していた。
 ▼明治時代に日本を訪れた外国の人たちは、識字率の高さに驚いたと言われている。江戸時代から、町民や農民にも寺子屋や塾などに通う人は多くいた。俳句をたしなむ人も多く、松尾芭蕉などは各地の門人を訪ね歩き、句作の指導をしながら旅を続けたと言われている。
 ▼コロナ禍と読書率の分析はないものの、巣ごもり生活の浸透が前年比増の背景にあるのは確かだろう。インターネットやテレビなど関心が分散する時代だが、この機会に活字に親しむ人が増えてほしい。当然、役立つ情報が満載の新聞にも。