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防風林「多様な人材がつくる集落のにぎやかさ【2021年7月4週号】」

 ▼生まれ育った集落に「機械屋」と呼ばれるおじさんがいた。店舗は持たず農機具店などに勤めている訳でもない。農機具が故障したとき、声をかけるとすぐ駆けつけて修理する。便利屋さんのような存在だ。初めてバイクを買う際には、バイク屋を紹介してもらった。
 ▼農作業の手伝いで畑にいると、結構な頻度で父親を訪ねて来て5分ほど話すと去って行く。そんな姿をよく目にした。農機の修理だけで生計を立てられたのか、別に仕事をしていたのかは知らない。ほかにも多くの人が畑に顔を出し、世間話をしたり、何らかの用事を済ませたりしていた。
 ▼農林水産省の「新しい農村政策の在り方検討会」などの中間とりまとめは、農業と農業以外の仕事をする「半農半X」の推進を明記した。地域の活性化には、専業農家だけでなく、農業・農村と関わりを持つ人を増やすべきとの考えからだ。
 ▼集落には、山菜採りや川漁師などもいて、単一品目の専業農家の方が新参だ。多様な人が暮らすから、集落がにぎやかだったのかも。