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自家産生乳を使って"食べる牛乳"牛乳豆腐【10月4週号 北海道】

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 【北海道支局】中標津町計根別の「みるふちゃん工房」では、「食べる牛乳」をコンセプトにした酪農家の家庭の味「牛乳豆腐」を製造・販売し、評判を呼んでいる。工房の代表・久保拡伸〈くぼ・ひろのぶ〉さん(43)は、牛乳豆腐が酪農家と消費者との距離を縮めるきっかけとなることを期待している。同町で乳牛100頭を飼養する久保さんは、「計根別の名前の付いた商品を作りたい」という思いから、同じ地域で酪農を営む安齋悟〈あんざい・さとる〉さん、信夫扶美子〈しのぶ・ふみこ〉さん、末廣卓実〈すえひろ・たくみ〉さん、長谷川希美〈はせがわ・きみ〉さんの4人に声を掛け、工房を立ち上げた。2019年に町内の建物を工房に改装し、牛乳豆腐の製造を始めた。当初は町内外のイベントに出店。空港や飲食店への卸売りで1カ月300個の受注があったが、コロナ禍の影響で今では50個ほどに減少した。完成した牛乳豆腐は、癖が無く、煮ても焼いてもいい調理しやすい商品で、メンバー全員が満足のいく味に仕上がった。生乳は久保さんの農場で生産したものを使用。成分によって味が変化するため、一年を通して安定した出荷ができるように独自の基準を設けた。久保さんは「牛乳豆腐は家庭の味として親しまれてきたため、レシピを作ることに時間がかかりました」と話す。牛乳豆腐は同工房のホームページでも販売。購入した消費者から「食べやすくておいしい」「嫌いだったけど、これなら食べられる」などの声が寄せられることが喜びとなっているという。久保さんは「食材の一つのカテゴリーとして牛乳豆腐の認知度を上げたいです。そうすることで酪農を身近に感じてもらい、私たち酪農家と一般の消費者の方々との距離を縮めるきっかけにしたいです」と話す。

〈写真:人気の牛乳豆腐〉