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共済金で再起 各種特約を付帯、厚い補償【11月2週号 秋田県】

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 【秋田支局】「昨年末から1月中旬にかけての雪は経験したことのない積もり方だった。1回の降り方が尋常じゃなく、朝から晩まで連日除雪していた」と話すのは、由利本荘市矢島町の今野純一さん(40)。水稲1.5ヘクタール、ハウス11棟約25アールでアスパラガスとミニトマト、冬期間はホウレンソウの栽培に取り組む。70アールでアスパラガスの露地栽培も手掛けている。ハウスの被害を受けたのは昨年12月21日。アスパラガス栽培のハウス1棟が雪の重みでつぶれた。「7割ほどつぶれ、このまま放っておくと全部つぶれてしまうと思い、被害拡大防止のためビニールを切った」。当時の県内は毎週のように強い寒波が襲来し、積雪量が一気に増えた。この時期としては異例の80センチ近い積雪を記録している。「豪雪地帯ではあるが、昨年の状況は異常だった。普段でもたまってしまうと大変なので、毎日除雪するが、降る量が多くて困り果てていた」。想定外の降雪量で除雪は間に合わなかった。ハウスがつぶれたのは、屋根面に降り積もった雪が着雪し、滑り落ちなかったことが原因と考え、現在はハウス全棟の天井に約2.5メートル間隔で金具を追加。補強の支柱を設置できるような対策を講じた。「つぶれたハウスは田んぼに面した一番端にあり、前も同条件のハウスに被害を受けたことがある。風向きで着雪しやすい立地なのかもしれない」。昨年10月初旬、園芸施設共済の契約更新時に、農業共済組合の担当職員から、設置年数が経過しているため、撤去費用特約や復旧費用特約、付保割合追加特約など各種特約を付帯した補償の厚い内容を提案され、契約していた。今野さんは「掛金は高くなったが、復旧するのに十分な共済金を受け取ることができて助かった。また冬が来るけど、大雪にならないことを願うばかり。万が一に備え、小まめな除雪やハウスの補強対策はもちろん、補償の内容見直しなども重要だ」と話す。

〈写真:屋根に雪が着雪し滑り落ちず、重みでつぶれたハウス〉