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祖父の果樹園を復活 魅力ある経営目指す【11月1週号 群馬県】

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 【群馬支局】高崎市在住の樋口智保〈ともやす〉さん(24)は、祖父の果樹園を継ぎ、観光農園として充実した経営を目指している。榛東村にある果樹園は、祖父の樋口侑吾〈ゆうご〉さん(81)が祖母と経営し、多くの客が観光バスで来園していたが、2016年11月の大雪でリンゴの樹(き)700本が全滅した。孫の智保さんが、果樹園を手伝いながら自分の進む道を模索していた矢先のことだった。さらに侑吾さんが体調を崩し、閉園に追い込まれた。接客もできる果樹園経営に魅力を感じていた智保さんは、「ゼロからのスタートならば、逆にどこまでできるかやってみよう」と就農を決意。「不安はありませんでした」と当時を振り返る。県中部農業事務所や渋川市果樹園芸組合の指導、県立農林大学校の講義で技術を学び、苗から植えた樹は500本になった。現在、リンゴ「つがる」「秋映」「陽光」「ぐんま名月」「ふじ」など約1ヘクタール、ウメ「白加賀」「南高」「梅郷」を約2ヘクタールで栽培する。今年10月、樋口農園をリニューアルオープン。併設店舗ではリンゴのほかに、妹の明音〈あかね〉さん(21)が新鮮なリンゴをたっぷりと使用したシュークリームや焼き菓子を販売する。智保さんは「今年はまだ量が少なくリンゴ狩りはできませんが、リンゴ園を再開でき、祖父母も喜んでいます。今後はお客さまに楽しんでもらえるような観光農園を目標にしています」と話す。

〈写真:併設店舗内で智保さんと明音さん。リンゴのシュークリームは地元の人が買い占めてしまうほどの人気〉