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プリザーブドフラワー 巣ごもり需要拡大【11月4週号 鹿児島県】

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 【鹿児島支局】「先が見通せない現在。農業も時代にあわせて業態変化をしていきたい」と話すのは、さつま町柏原でブライダル用の花卉〈かき〉や葉物を生産・販売する有限会社南原〈みなみはら〉農園で代表取締役を務める南原武博さん(55)。プリザーブドフラワーの加工・販売にも取り組み、新型コロナウイルス感染症の拡大で巣ごもり需要が拡大したことから加工品の売り上げを伸ばしている。同農園では、5500坪のハウスで「ジャスミン」「スマイラックス」「アイビー」など約100種類の花や葉物を栽培。切り花のほか、「結婚式などのイベントがないときでも花を身近な存在に感じてほしい」と2008年に加工を始めた。専門業者にノウハウを学び、花の品種に合った加工技術を確立した。「お客さんの要望で加工する花の種類をいろいろと増やしてきた。花の品種によって加工しやすいものとそうでないものがあるので難しいが、今後もニーズに応えていきたい」。プリザーブドフラワーは、生花の色を一度抜き、特殊な染料で再度色付けする。加工には2~3週間程度かかるという。「生花に近い見た目と長期間保存ができるのが特徴だ。長いもので10年ほど持つ」。同農園では、新型コロナウイルス感染症の影響でブライダル関係の需要が減少した。一方で、巣ごもり消費でプリザーブドフラワーの需要が拡大。国内に限らず海外からの加工依頼が増えたという。南原代表は「花の販売は市場取引が大半を占めている。新型コロナウイルス感染症の影響のように市場が止まってしまうと収入が大幅に減少してしまう。新たな品種を導入し、ゆくゆくは観光農園を始めるなど収入源の分散化を図りたい」と話す。

〈写真:「花の魅力を広く知ってもらいたい」と南原代表〉