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野菜作りにリサイクル堆肥 廃食用油はボイラー燃料に【1月4週号 石川県】

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 【石川支局】加賀市塩浜町の株式会社なっぱ会は、加賀市の食品リサイクル事業と連携した循環型農業に取り組んでいる。同市内の家庭などの生ごみや廃食用油をリサイクルし、堆肥や農業用ハウスのボイラー燃料に利用中だ。堆肥をまいているため、連作障害は10年以上ないという。同社代表取締役・北村栄さん(65)は堆肥の手応えを感じている。「昨年は堆肥をまかなかったハウスが連作障害になった。堆肥は確かに連作障害を防ぐ。土壌消毒が不要でいいことづくめ」。加賀市内と白山市内に農場を持つ同社では、キュウリ、ミニトマト、ホウレンソウ、「金時草」など8品目を栽培する。土作りには生ごみをリサイクルした堆肥を元肥として使用。1作終わるごとに10アール当たり2トンの堆肥をまくという。ハウスのボイラー燃料には、廃食用油をリサイクルして使う。加賀市内のごみステーションやスーパーなどに回収コンテナを設置し、廃食用油はペットボトルに詰めてもらい回収する仕組みだ。一昨年は1万7千リットルを回収した。野菜の販売は県内スーパーなどの産直コーナーやJAの直売所。ごみ分別の成果が目に留まりやすく、消費者から評価を直接受けられることを意識した。

〈写真:金時草のハウスで「味が濃く、栄養がぎゅっと詰まっています」と北村さん〉