ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

水稲密苗・機械化・圃場整備 生産性向上に前進【2月2週号 埼玉県】

220210_5.jpg

 【埼玉支局】「地域の担い手として農地を守っていきたい」と話す川島町平沼の小島秀文さん(35)。後継者のいない農地を中心に耕作を引き受け、20ヘクタールで水稲を作付ける。現在、父の麻寿さん(70)と母のさゆりさん(58)とは経営を分けているが、農繁期には互いの作業を助け合う。「コシヒカリ」「彩のかがやき」など計4品種と飼料用米を栽培し、JA埼玉中央に出荷する。耕作面積は就農した2014年当時の10倍にまで拡張。大規模な面積を少ない労力でこなすため、密苗を利用した田植えや水田1区画の拡充に取り組む。通常は1枚当たり乾もみを120グラム播くところを、秀文さんは300グラム。育苗箱や培土などの資材費を減らせるほか、播種や苗の運搬にかかる時間の大幅な短縮が可能だ。密苗仕様の田植機を利用すれば、浮き苗や欠株の心配がなく、従来と同等の収量と品質が維持される。「1度の運搬でたくさん植えることができるので、これまで大きな負担となっていた田植え作業が軽減された」と秀文さん。300枚以上あった水田は、1区画平均20アールで100枚ほどに整備した。水管理や除草作業などが効率的になるだけではなく、大型機械の導入が可能となり、生産性の向上につながったという。22年から収入保険に加入した。「コロナ禍や天候不順で、農産物を作る上でのリスクが高まっている中、少しでもリスクを減らすために加入した」と話す。秀文さんは「30ヘクタールを目標に、次は育苗や田植えが不要となる乾田直播に挑戦したい」と意欲を見せる。

〈写真:自動運転が可能なGPS(衛星利用測位システム)を取り付けた田植機と秀文さん〉