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生徒が作るコシヒカリ グローバルGAPを取得【2月3週号 新潟県】

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 【新潟支局】県立村上桜ヶ丘高等学校では昨年、岩船産「コシヒカリ」の栽培で生産工程管理の国際認証「グローバルGAP(食品安全、労働環境、環境保全に配慮した国際基準の農業認証)」を取得した。県内の高校では2例目、総合高校では初の取得となる。同校の農業森林系列で作物を学ぶ3年生は、2年次の課題研究授業の際にGAPに興味を持ち、7人のメンバーが中心となり取得に向け取り組んだ。同校作物担当の山本悠太教諭は「押し付けだと生徒のモチベーションは上がりません。自主的に行動してくれたことがうれしかったです」と話す。グローバルGAPの取得には200以上の審査項目をクリアしなければならない。そのため、作業場の安全管理や衛生管理を実施する必要がある。チームリーダーを務めた3年の中山郁也さん(18)は「多くの審査項目を理解し、資料を一から作ることが難しかったです」と振り返る。生徒たちはコンサルタントによる現地指導のほか、GAPを取得している先進校とリモート形式で情報を交換してきた。2年の伊藤久美子さん(17)は「作業は大変でしたが、コンサルタントを通じて県内外の生徒と交流できたことは良かったです」と話す。地元の農業普及指導センター、JA、農業法人などのアドバイスを受け、昨年秋に審査を受け、認証を取得した。2016年に認証を取得し、指導に携わった農事組合法人せせらぎの松田史和代表(48)は「真剣に取り組んだ姿勢が認められて良かった。農業に将来関わる上でのスキルアップにつながるはず」と評価する。努力が高く評価され、生徒が栽培したコシヒカリは同市のふるさと納税返礼品に採用。ふるさと納税のWEBサイトに掲載する画像のデザインやPR文、直筆メッセージ付きの商品発送まで生徒が担当した。2年の河面朋樹さん(17)は「岩船産コシヒカリのおいしさをたくさんの人に伝えたいです」と笑顔で話す。グローバルGAPは1年単位で更新が必要だ。木村和史校長は「これからも必要な知識を地域農業と共に学び、国際基準であるグローバルGAPの認証を続けられるように頑張ってもらいたい」と期待する。

〈写真:グローバルGAP認証の喜びをかみしめる伊藤さん(中央)、河面さん(右)と「これからも認証に向けて頑張ってほしい」と木村校長〉