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防風林「食べて飲んで酪農を応援しよう【2022年2月4週号】」

 ▼年末年始の学校給食休止期に懸念された処理不可能乳の発生は、酪農乳業を挙げた努力と消費者の応援需要が後押しとなって回避された。ただ、年度末や季節的な生産最盛期の4、5月に向け予断を許さない状況が続く。気になるのは一部報道による生産過剰との批判だ。
 ▼政府による増産政策で生乳生産量が増えてきたのは事実だが、きっかけは2014年末の深刻なバター不足にあった。特に都府県で高齢化などによる離農が加速する中、需要に見合う生乳生産の維持・拡大が大きな課題だった。
 ▼生乳生産は、暑さ寒さなど気象の影響を受けやすく、牛乳の消費も寒暖によって変動する。バターや脱脂粉乳への加工を需給の調整弁としてバランスをとる必要がある。そもそも動物を飼う仕事で、簡単に増産、減産できる訳ではない。
 ▼コロナ禍による業務需要の減少に加え、飼料価格高騰が酪農経営を圧迫する。まずは生乳生産を継続できるよう消費に励みたい。生協などが今から応援キャンペーンを打ち出しているのは心強い。