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重油代を大幅に節減 保温効果上げるトイレファン【3月2週号 高知県】

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 【高知支局】高知市でミニトマト40アールを栽培しながら、省エネハウスの研究や開発に取り組む雨森農園の雨森克弘さん(62)。トイレファンを活用して、ダクトを通じてビニールハウスの外張りと内張りの空間に外気を取り入れることで空気を循環させ、ハウス内の保温効果を向上させる装置を製作した。設置費用は、材料費込みで10アール当たり1万円。ファンは24時間稼働させ、ハウス内の温度センサーで確認する。所有する3棟のハウスのうち、2棟のハウスに設置した結果、未設置ハウスに比べ3~4度の保温効果があり、重油代を40%近く安く抑えられたという。原油の高騰やSDGs(持続可能な開発目標)の実践が求められる中、雨森さんは20年ほど前から、コスト低減や環境にやさしい農業を目指し、地元の大学の協力を得ながら、さまざまな装置の研究・開発に取り組んできた。「個人では経費面で限界があるので、スポンサーを募るなど、実用化に向けた取り組みを進めたい」と意気込む。

〈写真:ハウス内の保温効果を向上させるためトイレファンを利用した装置〉