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初収穫、販売は順調 国産アボカド広めたい【3月2週号 広島県】

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 【広島支局】「みんなと同じものを作っても面白くない。違うものを作ってみたい」と話すのは、福山市で6種のアボカドを30本(露地4.5アール、ハウス1.5アール)栽培する香川和則さん(46)。今年1月、就農3年目で初めての収穫を迎え、販売は順調だ。国産アボカドは、出荷直前まで木に付けたまま熟成できるため、外国産に比べ栄養価は高く、油分が多く食感が良いという。乾燥や寒さに弱いアボカドは、梅雨明けから盆までは、1本の木に1日20~30リットルの水をまく。冬は気温が低くなる夜から朝方にかけてハウス内をストーブで加温し、3度以下にならないようにする。露地では、アボカドの木をビニールと不織布で覆い、束ねたわらを中に詰め寒さを防ぐ。香川さんは、アボカド栽培に興味を持ち、香川県の農家に話を聞きに行ったという。「国内で栽培している人が少ないし、収入がある程度見込めると思った」と就農を決意。農地を借り受け、整地してハウスを新設した。「知識が無い中で、見よう見まねで始めた。観察を毎日続けると、アボカドの成長過程が分かるようになり、花の変化に気づくようになった」。現在は、1キロ当たり5千円で主にインターネットで販売する。「高価なものを買ってもらうことになるので、栽培する木や計量時の写真、手と大きさを比較した写真を載せている」。インターネットに掲載するときには、商品などの写真を毎回撮影するという。「実物の大きさを見て驚いてもらいたい」。香川さんは「国産のアボカドは、知名度を上げるのが課題。自分がうまく作れるようになると、やってみようと思う人が増えてくると思うので、根気強くやっていきたい」と意気込む。

〈写真:ソフトボールくらいの大きさになることもあるという品種「リード」を手に香川さん〉