ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

国産キクラゲ 「白」も栽培、加工品は高評価【3月3週号 奈良県】

220317_5.jpg

 【奈良支局】五條市の「株式会社エー・ジー・エフ・ホールディングス(農業法人株式会社アスカグリーンファーム、山本人彰(やま もと ひと あき)社長=56歳、従業員数14人)」は、大和野菜と、ハウス7棟12アールでアラゲキクラゲを生産する。同社取締役営業統括本部長の蔡顯人〈さい・けんと〉さん(56)は「『明日香きくらげ』を日本全国に広めたい」と意欲的だ。2004年に設立した同社は15年にキクラゲの栽培を始め、現在は年間約20トンを生産する。菌床は国内のメーカーから取り寄せ、黒いキクラゲと、黒色の突然変異で取れた白色のキクラゲを栽培。白色は希少な菌を採取して培養した。収穫後は、1枚ずつ丁寧に手洗いし、おがくずをきれいに取り除く。「乾燥させることで長期保存できる」と蔡さん。天日干しと機械乾燥を経てパック詰めし、地元の直売所やスーパーに出荷するほか、自社のホームページで販売する。キクラゲの冷凍品やつくだ煮、甘酢漬けなども取り扱う。昨年、自社産キクラゲと県内産の食材を組み合わせた加工品を、全国大会「にっぽんの宝物JAPAN大会」に出品し、準グランプリを受賞した。開発に協力した「有限会社三木食品工業(大和郡山市)」の近藤正洋代表取締役社長は「キクラゲを安定流通させていることは素晴らしい。並大抵の努力ではできない。これからも一緒に何かつくりあげたい」とエールを送る。蔡さんは「自社菌床工場を建設し、品質安定と収量増を確立し、キクラゲ日本一を目指す」と話す。

〈写真:「明日香きくらげは最高の万能食材」と蔡さん〉