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国産キクラゲ 収穫体験・試食会でアピール【3月3週号 栃木県】

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 【栃木支局】不動産や太陽光発電システム事業などを扱う株式会社アル・ホーム(真岡市)は、2019年にキクラゲ栽培を開始した。栽培規模と販路を年々拡大し、加工品も製造。キクラゲ狩り体験や試食会などで知名度向上に取り組む。栽培のきっかけは、地元の農業用ハウスの有効利用だった。同社の髙橋尚志〈たかはし・なおゆき〉代表取締役(36)は「真岡市はイチゴ栽培が盛んな地域。後継者問題でハウスを処分する農家の相談を受け、何か良い方法はないかと考えた」と話す。国内消費の98%が外国産で、生キクラゲが珍しかったことも栽培を始める決め手となった。栽培を手掛けるのは、髙橋代表の父を含む知人の5人で、平均年齢77歳の「コットンキクラゲ5(ファイブ)」。初めての栽培だったため、那珂川町の「ともちゃん農園」で学んだ。4月中旬に菌床栽培を始め、5月上旬から11月末まで収穫可能だ。商品名「コットンキクラゲ」は、特産品の真岡木綿にちなんで命名。19年は300菌床、20年は1500菌床、21年は3千菌床と栽培規模を順調に拡大した。直売のほか、真岡市内の道の駅や直売所、スーパーで販売。つくだ煮やピクルスなどの加工品開発に力を入れる。キクラゲの知名度向上や地域と交流するため、キクラゲ狩り体験のほか、地域の人を招待した漬物やお好み焼きなどアレンジ料理の試食会を定期的に開く。髙橋代表はカンボジアで働いた経験を生かし、人材確保と同国でのキクラゲ事業の布石として技能実習生を採用する予定だ。「規模拡大も大切ですが、事業の継続を一番に考えていきたい」と話す。

〈写真:栽培担当のコットンキクラゲ5〉