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牛と設備を引き継ぎ 憧れの酪農家で独立【4月1週号 福島県】

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 【福島支局】二本松市の渡邊大介〈わたなべ・だいすけ〉さん(36)は、酪農ヘルパーを経て、廃業予定の酪農家から経営を引き継ぎ、今年1月、酪農家へ本格的に転身した。酪農ヘルパーをしていたとき、訪問先の農家に「廃業する予定だ」と聞き、経営を引き継ぐことを決意したという。現在、搾乳牛24頭、育成乳牛11頭、和牛2頭を飼養。自宅から車で10分ほどの牛舎に朝晩毎日通う。休日は小学1年生の次男・悠壬〈ゆうじん〉君が手伝ってくれる。酪農家への新規就農は、牛はもちろんのこと牛舎、牧草地、農機具など準備が大変だ。現在は燃料費が高騰しているため、就農のハードルがさらに高くなっているという。渡邊さんは「廃業予定の農家さんから、酪農に憧れる就農希望者へスムーズに経営を譲れるシステムがあれば」と期待する。毎日1頭ずつ観察することを心掛け、牛舎にカメラを設置し、牛房内の様子を観察。具合の悪い牛にすぐ対応できるようにした。自らの経験を生かし、ヘルパーへの指示板を牛房内上部に設置。搾乳時の注意事項や牛の特徴、癖などが記入されている。「先輩酪農家の経営を引き継がせていただいたので、大事にしながら自分のスタイルに合うように、やりやすくしていきたい。軌道に乗れば頭数を増やしたい」JAふくしま未来二本松営農センター岳山麓出張所畜産係の武田佳樹〈たけだ・よしき〉さんは「ヘルパーで学んだ技術を生かし、地域の酪農を盛り上げていってほしい」とエールを送る。

〈写真:牛の観察を欠かさない渡邊さん〉