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配合飼料を控えた放牧酪農 長命多産の牛、評判の加工品【5月1週号 岩手県】

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 【岩手支局】一戸町奥中山の「おさんぽジャージー三谷牧場」では、5月から12月まで、朝夕2回の搾乳作業時間を除いて放牧酪農に取り組む。三谷剛史代表(45)は、2003年に妻の雅子さんと共に同町で就農。現在は4ヘクタールの牧野で、ジャージー牛18頭(搾乳牛15頭、子牛3頭)を放牧する。1日に150~300キロを搾乳し、生乳は主に自宅の工房で製造するヨーグルトやチーズなどの加工品に使う。「ジャージー牛は乳脂肪分が高く、濃厚な味わいが特徴。全国のお客さまから注文が入る」と三谷代表。「時期によって食べる草が異なるため、季節によって変化する牛乳の味を感じてほしい」と話す。飼料は放牧期間は牧草、冬期間は干し草を与える。肥満などによる病気のリスクを減らすため、タンパク質の多い配合飼料の割合を減らすという。「搾乳量は減るが、牛の寿命が延びて平均分娩回数が増えた」。三谷代表は「牛の生き生きとした姿を見ると、自分もうれしい。今の規模を維持しながら酪農を楽しみたい」と話す。

〈写真:「放牧酪農がしたくて一戸町に移り住んだ」と三谷代表〉