ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

加工施設オープン ジビエ利用促進、獣害低減へ【5月2週号 福岡県】

220519_8.jpg

 【福岡支局】うきは市の株式会社ルーラルプライドは今年4月、鳥獣食肉解体加工施設「うきは自然のジビエ肉ウキナナ」を開設した。代表を務める國武淳一さん(39)は「獣害に困っている地元の人に、ウキナナをぜひ利用してほしいですね」と話す。國武さんは5年ほど前に狩猟免許を取得し、イノシシ被害に頭を悩ませていた友人と捕獲を体験。その際、捕獲後の鳥獣の処分や、自家消費のための獣肉の解体に多くの工程と時間がかかることを痛感した。施設では地元や近隣自治体で捕獲した鳥獣を回収・買い取り、加工処理する。主に外食産業などへ卸すほか、一般消費者向けのジビエ(野生鳥獣肉)も販売。ハーブや野菜、果物など厳選した旬の農作物も提供する。自然からいただいた大切な「いのち」を提供することで、いのちをつなぎ、人と動物が共存できる環境を守っていきたいという思いを施設の設立に込めたという。「猟師の高齢化が進む中、若い人にも狩猟免許の取得が増え、ウキナナを利用してもらうことで山間地の獣害の低減に貢献できればうれしいです」。國武さんは「ジビエをきっかけに、田舎と都会で『人と人』『人とモノ』の新しいつながりや循環を生みだしていきたいです」と話している。

〈写真:前職の飲食業での経験を生かし、「田舎と都会の架け橋になりたい」と國武さん〉