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冷蔵トラック定時巡回 「やさいバス」札幌で運行【6月4週号 北海道】

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 【北海道支局】新鮮な野菜を市場を介さずにスーパーや飲食店などに直接届ける「やさいバス」が、生産者らの流通経費を削減するシステムとして期待されている。運営は静岡県をはじめ、各地でこのシステムを提供する「やさいバス株式会社」(加藤百合子代表取締役)。北海道では、北海道コカ・コーラボトリング株式会社が委託を受け、子会社の幸楽輸送株式会社が野菜を集荷する。札幌圏では5月20日に運行がスタート。上川管内は富良野市、中富良野町、上富良野町のほか、美瑛町、鷹栖町、当麻町などの生産者が参加する予定だ。やさいバスは、地域内の数カ所に設けた出荷の拠点を「バス停」と名付け、冷蔵トラックが定時巡回し、地域物流を進めるBtoB(企業の間での商取引)の共同配送モデル。地域の飲食店などは、欲しい野菜をスマートフォンで発注する。その内容を確認した生産者が、収穫したばかりの野菜をバス停へ運び、それをやさいバスがピックアップ。買い手は、最寄りのバス停で降りた野菜を受け取る。出荷は専用コンテナを使う。1コンテナ当たりの配送料は、エリア内なら送料350円で購入者が負担。生産者には送料の負担はかからない。加藤代表取締役は「やさいバスの使命は信頼を紡ぐこと。人と人の信頼関係が途切れがちな今、コミュニティーづくりの一助にしたいと考えている」と話す。上富良野町で農業法人AGRIER(アグリエ)を経営する蛇岩真一〈へびいわ・しんいち〉さん(57)は、この事業の地域サポーターとして活躍する。「参加者が増えれば、購買者は新鮮な野菜が手に入りやすくなる。結果的に生産者の手取りが増える。人と人の交流が期待されるこの仕組みをサポートしていきたい」と話す。

〈写真:「やさいバス」のステッカーを貼ったトラックが巡回〉