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おいしい米を作る、楽しい番組を作る ラジオから農業をPR【7月1週号 山形県】

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 【山形支局】「農業では『おいしい米を作ること』、ラジオの仕事では『楽しい番組を作ること』を通してお客さまに喜んでいただける。どちらも感動を創造できるやりがいあふれる仕事」と話すのは、庄内町余目の國本琢也さん(35)。水稲栽培と米の加工品作りに携わる傍ら、ラジオ番組のパーソナリティーやイベントの司会進行など「話す仕事」をこなす。横浜市で生まれ育った國本さんは、都内の大学に在学中に、庄内町で米の生産や集荷を手がける「株式会社米シスト庄内」の代表を父に持つ友人と出会った。同社の米のおいしさに感動した國本さんは、一念発起して農家になることを決意。11年前に移住して同社に就職し、水稲栽培を学んだ。9年前からは個人で「はえぬき」や「つや姫」などを6.6ヘクタールで栽培するほか、同社のかりんとう製造工場の責任者としてライン管理を担う。もともと目立ちたがり屋な性格だったこともあり、2013年に酒田市のライブハウスで芸人としての活動を開始。そこで生まれた縁でイベントの司会進行の仕事が舞い込み、19年4月から地元FM局、今年4月からはFM山形の番組を担当するまでになった。ラジオでは多様なジャンルの話題に加え、農家としてのエピソードを紹介したり、新米プレゼントを企画したりと農業のPRを欠かさない。「リスナーが米やかりんとうを購入してくれたり、取引先の方がラジオを聞いてくれてコミュニケーションが円滑になったりと、喜びは尽きない」。日中は農業、夜にラジオ番組の収録と、多忙な日々を送る。「農家は忙しいが、時間の裁量がある。最初から仕事にしようと思わず、隙間時間を使って興味のあることに挑戦すると、人生の可能性が広がる」。面積を増やしておいしい米を多くの人に届けること、全国放送のラジオ番組を持つことが目標だ。「自分が有名になることで山形や農業のことを多くの方にお伝えできる。多くの方に支えられて今の自分があるので、お世話になった方に還元したい」。
 ▽担当番組=FM山形「RAMP.」毎週水曜日午後8時~8時55分、酒田FMハーバーラジオ「シャドウ國本のだいたい大丈夫」毎週月曜日午前11時~11時30分(再放送=毎週日曜日午後9時30分~午後10時)

〈写真:収穫後の圃場でラジオ番組を収録する國本さん〉