ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

水に浮く栽培棚 浸水被害を軽減【7月4週号 佐賀県】

220728_7.jpg

 【佐賀支局】唐津市でミディトマト27アールを栽培する株式会社Agrish代表取締役の吉田章記さん(43)は、2020年8月、水耕栽培のスチール束や発泡スチロールの棚、ヤシ殻の培地を用いた「軽く新しい栽培棚」を、多くの実験を経て完成させ、昨年の浸水時には被害を軽減させた。豪雨が起きやすい7~8月はミディトマトの定植期で「ハウスの周辺をブロック塀などで囲うことや定植を遅くする対策を考えた。しかし、短期間の豪雨のために資材購入や出荷量を減らすなどのリスクを負うのは避けたいと思い断念した」と吉田さん。「ハウスのある場所は周りより低い立地のため、あえて浸水することを受け入れ、水に浮く軽い栽培棚を作り、被害を軽減するという逆転の発想に至った」と話す。吉田さんの技術は、新聞社の取材や行政の視察など反響は大きく、最近では海外へリモートでミディトマトの栽培技術と共にこの技術を伝えている。

〈写真:発泡スチロールの栽培棚を紹介する吉田さん。建築用スチール束を設置し、高さを調整できるようにした〉