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ナシの氷温保存に成功 海洋深層水活用で甘み強く【8月3週号 富山県】

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 【富山支局】「ほかの農家とは違う工夫をすることが大切」と話すのは、射水市黒河で「藤岡農園」を営む藤岡正明さん(77)。主にナシを栽培し、53アールの園地には「幸水」「豊水」などさまざまな品種があり、水稲330アール、タケノコ30アールの栽培も手掛ける。同園のナシは「きららか梨」というブランドを確立し、県内だけではなく、東京や沖縄など全国にファンが広がっているという。きららか梨の一番の特徴は、年間を通じて良食味を味わえることだ。「冬にもおいしいナシを食べたい」という客の要望に応えるため、藤岡さんは長期保存方法の開発を始めた。富山県立大学の協力を得て、氷温保存法をナシに適用することに成功。水やりには富山湾海洋深層水を使用し、より甘みの強いナシを作っている。きららか梨が全国に広がるブランドとなったのは、これらの技術や工夫によるものだ。藤岡さんは「農業が好きだからこそ、こだわりを持ったナシ作りができる」と話す。

〈写真:摘果作業中の藤岡さん。夏季は8月下旬から幸水の販売を予定している〉