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薬草で魅力ある商品開発 農業を頑張る女性を応援【8月4週号 愛媛県】

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 【愛媛支局】西予市三瓶町周木の川西高司〈かわにし・たかし〉さん(47)は妻の美楠子〈みなこ〉さん(46)と、「ムラサキ」や「トウキ」などの薬草を11アール、かんきつを78.8アールで栽培。収入保険への加入で、かんきつの収入減少に備えている。会社員時代に商品開発に携わった経験を生かし、「当帰茶」を西予管内の道の駅で販売。ムラサキを使った化粧品「オールインワンジェル」を開発中で、来年春の完成を目指す。高司さんは、前職の野菜の接ぎ木苗を生産・販売する会社で、漢方薬原料生薬の国内自給率向上を目的とした厚生労働省の薬用植物国産化・利活用促進プロジェクトに参画。「この時に薬草と出合いました。ムラサキの根のきれいな紫色に興味を持ち、調べると効能も魅力的。本格的に薬草を育て、商品化したいと思いました」と話す。薬草栽培の土作りには、身近で手に入る有機物を活用。真珠の貝殻は粗めに砕いて畑に散布することで、成分がゆっくり溶け出し、土壌のpH調整効果が長く続く。海藻、米ぬか、廃土を寝かせ、カリウムやアミノ酸を多く含む肥料を自分で作る。化学肥料や農薬を使わず、健康や環境に配慮した農業を実現した。「農作業で肌荒れした母の手が心に残っています。農業を頑張る女性を応援したいという思いから化粧品開発を始めました」と高司さん。ムラサキには、やけどや切り傷など皮膚の炎症を鎮静化し、肉芽形成を促進する作用があり、これを生かしたオールインワンジェルの開発に取り組んでいる。ムラサキのほか、地域特産の宇和海産パールと野村町産シルクをエキス化して配合。3種の原料で「四国西予ジオパーク」の海・里・山を表現した。香りや使い心地などは美楠子さんの意見を積極的に取り入れ、試作は最終段階を迎えているという。

〈写真:試作段階のオールインワンジェル。パール(海)、シルク(里)、ムラサキ(山)のエキスを使用〉