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コオロギ養殖で地域に一役【9月2週号 岡山県】

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 【岡山支局】吉備中央町で食用コオロギを養殖する「陸〈おか〉えびJAPAN株式会社」の岡田輝喜〈おかだ・てるき〉さん(43)。地方を盛り上げるための産業をと考え、過去にタイで見た昆虫食が思い当たった。雑食性で飼育に場所を取られず、高齢でも育てやすいことから、コオロギの養殖を決めた。食品残さや規格外品を餌に活用でき、特産品を与えることで地域ごとの特色を出せる。出荷サイクルは40日前後で、通年での対応が可能だ。「養殖業界の中で一番おいしいといわれる。雑味がなく、高級なかつお節のよう」と岡田さん。タンパク質含有量は一般的に100グラム当たり約60グラムだが、同社は75.6グラム。同町産の米ぬかに栄養素を添加した餌で、味、栄養素ともに高品質に仕上がるという。「家畜飼料としても有用で、空き家を飼育場に活用しながら、小規模農家の収入向上が見込める。市場が拡大すれば地方に人を呼び込める」と意欲を見せる。

〈写真:「飼育環境を清潔に保つため、ケース内を定期的に清掃する」と岡田さん〉