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ナシ新一文字樹形+ジョイント仕立て 早期成園化、管理作業を効率的に【10月2週号 秋田県】

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 【秋田支局】潟上市昭和大久保地区の高橋拓人さん(39)は、父・龍一さん(69)と母・真澄さん(66)と共に果樹栽培に取り組む。ナシは1.5ヘクタールで「幸水」「あきづき」「豊水」「秋泉」を栽培。リンゴは「ふじ」「つがる」「シナノスイート」など20品種を70アールで手がける。ナシは「新一文字型樹形」を25.6アールで採用。棚下50センチで主枝を二分し、2本の主枝を棚下15センチで直線状に配置する。さらに、神奈川県が開発した特許技術「樹体ジョイント仕立て」を43アールで導入。主枝先端部を隣の木へ接ぎ木していき、直線状にする。この二つの仕立てで樹冠の拡大が早くなるほか、早期成園化や管理作業の省力化につながった。授粉は、確実性を高めるとともに、形の良い果実にするため、人工授粉と併せてマメコバチも利用する。ナシの収穫が一段落する11月ころには、園地に穴を掘り、落葉した枯れ葉を埋めていく。「カビによって伝染する黒星病を抑制するために重要な作業」と説明する。リンゴの収穫は12月上旬まで続く。規格外となった果実は、鹿角市花輪の加工場でジュースにする。昨年は500本を販売したという。リンゴジュースは1リットル500円で販売。秋田市土崎の秋田ベイパラダイスのほか、井川町のJAあきた湖東農産物直売所「湖東のやさい畑」に卸す。拓人さんと龍一さんは「早期にすべてを成木にして、収量を上げることが目標。これからも品質の高い果実を効率よく栽培していきたい」と意気込む。

〈写真:樹体ジョイント仕立てによる接ぎ木部分〉