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遊休地活用、加工品に注力 オリーブ産地化に貢献【10月4週号 広島県】

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 【広島支局】江田島市能美町の峰尾亮平さん(41)は、同市が設置したモデル園でオリーブの栽培・管理を担当するほか、栽培技術指導員としてオリーブの普及に努めている。2011年に始まった同市のオリーブ振興事業は約10年を経過し、現在では市全体で約1万6千本のオリーブを植栽。行政と市民、企業が連携し、地域活性化につなげるための取り組みを進めている。同市では、オリーブの産地化を目指し、耕作放棄地の解消や栽培の促進を目的に活動を進めている。モデル園では、ギリシャやイタリアなど海外の品種を含めた9品種を栽培。同市が地域の人を対象に開催する栽培講習会の会場としても利用されている。峰尾さんは「品種によって実の大きさや収穫時期が違う。いろいろな種類を植えているので、栽培の参考になれば」と話す。峰尾さんは19年、遊休地だった畑を自社の農園として借り、「瀬戸内いとなみ舎合同会社」を設立した。現在は約250本のオリーブを栽培する。「初めは1カ所で栽培していたが、活動していく中で、地域の人に声をかけたり、かけられたりして6カ所まで増やし、規模を広げてきた」。収穫した実のほかに、地域の人から買い取った実をオイルや塩漬けに加工し、同市内のパン店やオンラインで販売する。「加工品をできるだけ多く販売したい。加工品に必要な実をより多く買い取ることは、地域の活性化やオリーブ産業の発展につながる」。神奈川県出身の峰尾さんは「農業がしたい」と、栽培技術指導員を募集していた同市の地域おこし協力隊として16年に移住。「行政や企業、市民が一体となった活動は面白いし魅力的。江田島市を盛り上げるため、これからもオリーブ栽培に頑張りたい」と話している。

〈写真:「オリーブを育てている人の栽培を支援することにも力を入れていきたい」と峰尾さん〉