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〈収入保険・私の選択〉 暴落の痛手 補償で助かった【10月4週号 香川県】

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香川県東かがわ市  田中 康廣さん(82)
 農作物の市場価格は天候に大きく左右されるため、価格低下を補償してくれる収入保険は心強く、初年度から加入しています。以降、2年続けて保険金を受け取る事態になりました。2020年は、想定すらしていなかったコロナ禍での需要減少、21年は天候不順での価格暴落です。ブロッコリーは、20年10月に定植し、翌年4月に出荷する計画でした。ところが、秋の長雨で定植が大幅に遅れた上に、21年2月の低温で成長が遅れ、出荷は2月植えと一緒の5月になりました。この状況は全国的で、市場価格は一気に暴落。ブロッコリーは価格変動の少ない品目で、ここまで価格が下がるのは初めてです。経営は痛手を受けましたが、収入保険で補償してもらえ、とても助かりました。「生涯現役」を目標に掲げ、今は元気に取り組めていますが、健康は約束されたものではありません。また、ここ数年は過去に例のない気象災害が続いています。けがや病気、自然災害と、先が読めない時代ですから、補償内容の広さは気に入っています。青色申告は前職の手袋縫製業からで、60年の実績があります。収入保険の要件を満たし、スムーズに加入できたのは大きかったですね。白色に比べ「面倒」「難しい」といったイメージが強いかもしれませんが、各種控除の優遇や、収入保険に加入できるなど、多くのメリットがあります。自分の帳簿を時々見返すと、当時の記憶などが呼び起こされます。かつては、今より人手があり、面積も大きかった時代がありますが、おいしい作物を育てる農業の本質は変わってはいません。
 ▽水稲2.6ヘクタール、ブロッコリー90アール
 (香川支局)

〈写真:「地区の青色申告会では、指導部長として、白色から青色に変えて年数の少ない人に助言をしています」と田中さん〉