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園芸施設共済で経営に安心感 栽培続ける意欲に【11月1週号 埼玉県】

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 【埼玉支局】「豪雪で鉄骨ハウスが倒壊して以降、園芸施設共済に加入していることは安心感につながっています」と話すのは、川越市の澤田勇夫さん(73)。妻の千恵子さん(74)と共に水稲2ヘクタールのほか、ハウス3棟約18アールでキンギョソウの栽培に取り組む。キンギョソウは切り花として出荷。品種はバタフライ系とレジェ系で、白や黄色、ライトピンクなど5色以上だ。播種は6月下旬、定植は7月下旬から10日間隔で4回。本葉2枚で摘心し、2本仕立てにする。成長に合わせてフラワーネットの位置を引き上げることで、真っすぐに育てることができるという。収穫は10月から翌年5月の母の日ごろまで続く。キンギョソウは切り花にすると、花同士の接触などで花が落ちやすいため、収穫作業や荷造りには細心の注意を払う。店頭に並んでからもきれいに咲き続けるよう、念入りに水揚げをするなど、高品質なものを出荷できるように努める。2014年2月の降雪では、3連棟の鉄骨ハウスが倒壊した。「あれほどの積雪は過去に経験がなく、想定外の出来事。倒壊したハウスを翌日見て、まさかと思いました」と澤田さん。2月14日の積雪は40センチほどで、15日の深夜に雨へと変わったことで雪が水分を含み、重くなったことが倒壊につながったという。「生育が順調だったので、とてもショックでしたが、共済金を受け取ったため、同等の規模で栽培を続ける意欲につながりました」と振り返る。20年には、ビニールの破損などの小さい損害にも対応できるように「小損害不填補1万円特約」を付けて補償を充実させた。「すぐ近くを河川が流れています。台風などによる浸水の危険があるので、園芸施設共済には継続して加入していきたいです」と澤田さん。「水稲とキンギョソウの栽培を両立しながら規模を維持し、より良いものを出荷していきたいですね」と話している。

〈写真:ハウスでキンギョソウの摘心に取り組む澤田さん〉