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防風林「お金の話にはご用心を【2022年12月2週号】」

 ▼以前、母親を名乗る女性から職場に電話がかかってきたことがある。切迫した感じで話し始めたところで全くの別人と気づき、「誰?」などと問い詰めると切られてしまった。たぶんオレオレ詐欺の類いだったのではないか。所属部署と電話番号、出身地や家族構成など個人情報を把握していたのは驚いた。
 ▼気づいたポイントは声質の違いもあるが、なまりが故郷のものとは違っていたことだ。東京のテレビ番組では、故郷の高齢者のコメントには確実に字幕が流れる。地元出身者でなければ言葉や話し方をまねるのは難しいはずだ。故郷のなまりに感謝する。
 ▼警察庁によると、オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺など特殊詐欺の総認知件数は、2021年で1万4498件、被害額は282億円だ。被害は大都市圏に多いものの、法人被害を除き9割近くを65歳以上層が占める。届け出ない泣き寝入りもありそうだ。
 ▼疑うのは嫌なものだが、お金の要求や還付金などの話は一度区切るのが賢明だ。遠方の家族とも定期的に近況報告を。オレオレと言われても別人と分かるはず。