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防風林「花粉症は自然界からの警告か【2023年1月4週号】」

 ▼5歳児に叱られるNHKのTV番組で、人間は鼻水がないと最終的に死に至ると解説していた。暑さや冷たさ、乾燥などの環境変化から体を守り、ウイルスなどの侵入異物を外へ出すなど、鼻水の多岐にわたる活躍ぶりを紹介し、スーパーヒーローとたたえていた。
 ▼ただ、春の数カ月間はヒーローの活動を抑えてほしいと切に思う。花粉症のためだ。異物を排除する免疫反応が過剰になり、薬を飲んでいてもシーズン中に何度か鼻水や鼻づまりなど症状がひどくなることがある。報道では、今年のスギ花粉飛散量は本州の大部分で過去10年間で最も多いという。いつ症状が始まるのかと恐々としている。
 ▼日本で花粉症の問題が顕在化したのは1970年代以降だが、スギは大昔から日本にあった。顕在化の要因は、戦後の大幅な植栽数や高度経済成長に伴う排ガスの増加、日本人の体質変化などが挙げられている。
 ▼公害など高度経済成長の負の面を考えると、自然環境や生物多様性に配慮せず、好き勝手をした人類への警告なのかも。