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強風被害から再起 "幸せになるイチゴ"【1月4週号 北海道】

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 【北海道支局】「上田いちご園」(代表・上田秀樹さん=49歳)は、帯広市幸福町で四季成りイチゴを高設栽培する。品種は「すずあかね」が主体。道内の市場や関東方面、地元の洋菓子店などに出荷している。2010年に就農し、現在は収穫の繁忙期を除き、妻の友子さん(50)と二人三脚で栽培に取り組む。「自分たちの作ったイチゴを食べた人から『おいしかったよ!』などの声を聞くと本当にうれしいです。イチゴを通したつながりが農業を続けるモチベーションです」と秀樹さん。生産したイチゴがドラマの撮影に使用されたり、写真共有アプリ「インスタグラム」を見た人がイチゴを買い求めに来たりする。営農面では販売先の確保や天候が心配だという。昨年4月27日、就農後初めて強風の被害を受けた。農園の前を走る道路では、砂嵐の影響で多重衝突事故が発生した。「ビニールが破れたハウスを見て、頭が真っ白になり、かなりへこみました。園芸施設共済に加入していて良かった。苗代を支払い、収穫前で収入が少ないときなので、なおさら助かりました」と話す。縁起の良い駅名で知られる「幸福駅」の近くで営農する上田さん夫妻。「今後は、いちごジャムやいちご大福などを商品化していきたい」と友子さんは意気込む。「多くの人に助けてもらい、ここまでやってきました。現状の経営規模で、食べた人が『幸せ』になるようなイチゴを作っていきたい」と口をそろえる。

〈写真説明:就農して10年以上が経過し、営農に順調に取り組む上田さん夫妻〉