ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「手間が敬遠される果物消費【2023年4月3週号】」

 ▼消費者の人気が高く、栽培面積が急拡大しているブドウ「シャインマスカット」は、糖度の高さなどの食味とともに皮ごと食べられる簡便さが特徴だ。日本の果物消費量の第1位は長年バナナが占めている。やはり理由の上位には簡便さがくるのではないか。
 ▼そんな思いをめぐらせたのは、生協の注文書で皮むきの冷凍ミカンを見る機会が増えたためだ。皮ごと冷凍して列車のおともだった昔の冷凍ミカンとは違う。冷凍技術向上によるおいしさ、むかずに食べられる手軽さで人気という。ミカンは簡便と思っていたが、手を汚したくないニーズがある。
 ▼そういえば種が小さくて食べる際に邪魔にならない小玉スイカの新品種も話題になった。種の大きさが大玉スイカの4分の1ほどで、食べても種の存在を感じないため、種を出す必要がない。冷蔵庫にも入れやすく、小家族で食べきれる点も利点だそう。
 ▼いまやカットフルーツもコンビニやスーパーの定番品だ。包丁がない家庭も増えているとされる中、おいしくて簡単に食べられる果物に移行する流れは変わらないのかも。ただ、リンゴやモモ、ナシ、柿など果物のおいしさはそれぞれだ。おいしく食べるために皮をむく、種を出すひと手間も大事にしたい。