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防風林「少子化対策待ったなしはその通りだが【2023年6月3週号】」

 ▼50年後の日本の総人口は現在の7割に減少し、65歳以上がおよそ4割を占める――との将来推計人口を国立社会保障・人口問題研究所が公表した。2020年の国勢調査確定数を基に算定しており、総人口は1億2615万人から70年に8700万人になると見込んだ。
 ▼将来推計人口は、5年ごとに公表していたが、今回はコロナ禍で1年遅れとなった。17年に公表した前回推計と比べ、出生率は低下するものの、平均寿命の延伸に加え、日本に在住する外国人人口の増加傾向を反映し、人口減少の進行は前回推計に比べやや緩和すると見通している。
 ▼日本の総人口は、04年12月の1億2784万人をピークに減少に転じた。一番の懸念は、生産年齢人口といわれる15~64歳層の減少で、経済力など国力の低下に結びつくとされる。岸田文雄首相が注力する次元の異なる少子化対策も生産年齢人口を増やし、生産性の向上や経済成長の維持が目的だ。
 ▼政府が閣議決定した「こども未来戦略方針」では、24年度からの3年間を集中取り組み期間と位置づけ、3兆円を超える予算を投じるという。重要な課題と理解するが、戦略や加速化などと力を入れ過ぎると肝心の若者に敬遠されそうで心配になる。