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防風林「マイナンバー 功を急いで信頼を得られるのか【2023年6月4週号】」

 ▼マイナンバーをめぐるトラブル続出を受け、岸田文雄首相は21日、マイナンバー情報総点検本部を開き、秋までに関連するデータやシステムを総点検し、ひも付けの誤りなどをなくす仕組みの構築を指示した。来年秋を予定するマイナンバーカードと健康保険証の一体化も念頭に、マイナンバー制度への国民の不安を払拭する丁寧な対応も求めた。
 ▼ひも付けの誤りは、健康保険証関係が7千件以上あり、地方職員共済組合や障害者手帳情報でも見つかっている。健康保険証のミスは、情報の取り違えによる医療過誤を起こさないか心配だ。ただ、通常国会では、マイナンバー法などの改正法が成立した。健康保険証との一体化以外にも公金受取口座の登録促進など利用を拡大する方向だ。
 ▼海外でも国民に番号を付与して社会保障や税の管理など行政手続きの効率化を図る国が増えている。スウェーデンでは、住所、氏名や所得、資産などの個人情報を一元管理し、行政サービスや確定申告などは簡単な手続きで済むという。
 ▼一方、社会保障番号の本人確認を口頭で可とした米国では、なりすまし詐欺が多発し、年金の不正受給なども起きているそうだ。日本ではすでに国民の6割がカードを持つ。次へ次へと急ぎ過ぎず基礎固めを優先すべきでは。