▼1人暮らしの高齢者が増加する中、重要性を増しているのが健康や生活の状況などを確認する見守り活動だ。総務省の実態調査では、コロナ禍を経てタブレットなどデジタル機器の活用事例も増えている。ただ、高齢化と人口減少で公的な人材不足は続く見込みで、地域住民や民間事業者など多様な主体による複層的な見守り活動の在り方検討を課題に挙げた。
▼調査によると、訪問活動では、自治会や郵便局、新聞販売店との連携、配食・食材配達に合わせた安否確認などの事例がある。遠隔からの確認では、温度や人の動きを感知するセンサーの配置や緊急通報装置で異変を把握するほか、タブレットを使い姿の確認や通話するなどの工夫もあった。
▼65歳以上の1人暮らしは、2021年は男性約231万人、女性約441万人。それが40年には男性約356万人、女性約540万人と全体で3割増える見通しだ。家族と同居する人に比べ、1人暮らしでは近所付き合いも少ない傾向があり、健康や病気などに不安を覚える割合も高いという。
▼子どもたちが家を離れて暮らすようになり、現状で心配はないが、自分もいつ1人暮らしになるか分からない。孤独や不安な気持ちの回避に、安否確認だけでない、会話ができる見守りを求めたい。