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「キラリモチ」で6次産業化 耕作放棄地を解消、所得向上にも一役【8月3週号 岡山県】

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 【岡山支局】高梁市宇治町の一般社団法人宇治雑穀研究会は、生きがいづくり、耕作放棄地の解消、食育、地域活性化をテーマに、構成員が栽培するもち麦「キラリモチ」を活用した6次産業化に取り組む。地域の高齢化が急速に進み、耕作放棄地が増える中で「地域の農地を荒らしたくない」という思いから、5人の有志が立ち上げた任意団体が研究会発足のきっかけとなった。栽培の手間が比較的かからず、加工品の収益が見込める雑穀の栽培で、耕作放棄地を解消し、地域高齢者の生きがいづくりや所得向上にも一役買う。収穫したもち麦は、茶や菓子、もち麦粉、ビールなどに加工し、市内のスーパーや市外の直売所で販売。開発には県や地元の高校、酒造業者などが携わる。今後もさまざまな業者との提携で、今までにないもち麦の活用方法を模索し、新たな加工品を開発・販売する予定だ。キラリモチの地産地消を進め、地域の憩いの場をつくる目的で、2019年には「カフェ麦」を同町内に開店。毎週月曜日だけの営業だが、キラリモチをふんだんに使った料理を目当てに、市内外から客が訪れるという。研究会は17年に一般社団法人になった。その後は活動内容に賛同する人々が集まり、今では地域おこし協力隊も参画。総勢26人が活動する。

〈写真:研究会のメンバー。2020年に「豊かなむらづくり全国表彰事業」で農林水産大臣賞を受賞するなど取り組みは高く評価されている〉